その名のように、手のひら、足のうら、口の中に小さな水ぶくれができる病気です。おしりやひざにできることもあります。乳幼児のあいだで流行します。以前にかかったことのある子でもまたうつる場合があります。熱はたいていありませんが、口の中が痛くて食べられなくなることがあります。
治療
治療をしなくても自然に治る場合がほとんどです。熱や口の中の痛みがあるときはその薬を処方します。
家庭で気をつけること
①食べ物:口の中が痛いときは、しみないものを与えましょう。
熱いもの、塩味や酸味の強いもの、かたいものはひかえます。
②入 浴:熱がなく元気ならかまいません。
こんなときはもう一度受診を
①口の中が痛くて水分をあまり飲まないとき。
②高い熱が続くとき。
③吐いてぐったりしているとき。
保育所・学校
熱がなく元気があれば行ってもかまいません。熱があるときは主治医の指示にしたがいましょう。
★★ 院長より一言 ★★
手足口病とは、口腔粘膜と手や足などに現れる水疱性の発疹を主な症状とした急性ウイルス性感染症です。乳幼児を中心に主に夏季に流行する疾患です。
これまで、手足口病の原因ウイルスは、主にコクサッキーウイルスA16やエンテロウイルス71とされてきました。
ところが、2009年頃からコクサッキーウイルスA6を病原とする手足口病が多くみられるようになり、2011年はコクサッキーウイルスA6による手足口病が全国的に大きく流行しました。
2013年に検出された手足口病のウイルスの型は、コクサッキーウイルスA6がおよそ半数、エンテロウイルス71がおよそ4分の1を占めています。
コクサッキーウイルスA6を病原とする手足口病は、発疹がかなり大きく、そのため水痘(水ぼうそう)と間違えやすいので注意が必要です。また、発疹は手足口に限らず広い範囲にみられる特徴があります。手足口病が治ってから数週間後に、爪が浮き上がって剥離・脱落する爪甲脱落症にかかる事があります。
エンテロウイルス71の場合は、中枢神経性の合併症を引き起こす割合が比較的高いことがわかっているので、経過を特に注意深く観察し、合併症に警戒が必要です。