小川小児科内科医院

小川小児科内科医院

静岡県富士市中野569-4  TEL 0545-36-0321

当院職員と、そのお子さん

ヒブワクチン

 髄膜炎という重い病気があります。主な症状は高熱、頭痛、嘔吐などですが、これらの症状は風邪の時もみられます。項部強直といって、首すじ(うなじ)が棒のように固くなる症状もみられますが、泣いて身体を固くしているとはっきり判定できません。
髄膜炎かどうかの確定診断には背骨の間に太い針を刺して髄液をとり、これを調べて行います。この検査は、検査自体にも多少の危険があり、簡単にはできません。
そのため、髄膜炎を早期に発見することはとても困難です。

髄膜炎の原因としては無菌性(ウイルス性)と細菌性があります。(→無菌性髄膜炎の項参照)
無菌性髄膜炎は夏風邪やおたふくかぜから発症し、めったに重症化することはなく後遺症も残りません。
いっぽう細菌性髄膜炎は大変怖い病気で、これにかかると5%の人が死亡し、25%の人にはまひ、難聴、発達障害などの後遺症が残ります。4才以下の乳幼児が多く感染します。

日本では毎年1000人が細菌性髄膜炎にかかっており、その内600人はHib(ヘモフィリス属インフルエンザb型菌)、通称「ヒブ」によるものです。
前述したように、この病気は早期発見が困難ですから予防接種が大切で、諸外国では10年以上前から定期接種として行い、その結果ヒブによる髄膜炎は1/100に激減しています。

このヒブワクチンが平成25年4月1日より、国で指定する定期予防接種に組み込まれました。

接種回数は年令によって異なります。
生後2ヶ月以上7ヶ月未満→(4回接種)初回接種として生後6カ月までに27日〜56日の間隔をおいて計3回接種します。追加接種は3回目の接種から7カ月〜13カ月の間に接種します。
この時期に接種を開始しても、2回目や3回目の接種が遅れ、1才になってしまった場合は遅れた分の接種は省略し、追加接種を1回行って終了となります。
生後7ヶ月〜11ヶ月→(3回接種)27日〜56日までの間隔をおいて計2回接種します。追加接種は2回目の接種から7カ月〜13カ月の間に接種します。2回目の接種が遅れると、2回目は省略し、追加接種を1回行い終了となります。
1才以上〜4才→(1回接種)その時に1回のみ。5才の誕生日の前日まで接種できます。



ヒブ髄膜炎は生後3ヶ月〜1才に多い病気ですから、早期に接種することをお勧めします。
なお、ヒブワクチンは不活化ワクチンのため、このワクチンを接種した後1週間(中6日)あければ他のワクチンを受けることができます。

★★ 院長より一言 ★★

接種する年令によって接種回数が異なります。

ヒブは細菌性髄膜炎だけでなく敗血症や喉頭炎(仮性クループ)の原因にもなります。(どちらも怖い病気です)
特に乳児が感染すると重症となりますので、できるだけ早い時期に予防接種をして、この菌に対しての免疫をつけておく事をお勧めします。生後6ヶ月以内に3回、3回目の接種から7ヶ月〜13ヶ月経ってから追加として1回接種する方法が最も良いと思います。

ヒブが発見された時、インフルエンザの原因と間違えられ、名前の中にインフルエンザという文字が入っています。その後インフルエンザの原因としてインフルエンザウイルスが発見されました。まぎらわしいですが冬に流行するインフルエンザとは無関係です。