小川小児科内科医院

小川小児科内科医院

静岡県富士市中野569-4  TEL 0545-36-0321

当院職員と、そのお子さん

不活化ポリオワクチン

 ポリオ(急性灰白髄炎、脊髄性小児麻痺とも呼ばれる)を予防するワクチンとして日本では長く生ワクチンが使用されてきました。「生ワクチン」は、ポリオウイルスの病原性を弱めてつくったものです。ポリオに感染したときとほぼ同様の仕組みで強い免疫が出来ます。免疫をつける力が優れている一方で、まれにポリオにかかったときと同じ症状が出ることがあります。
「不活化ワクチン」は、ポリオウイルスを不活化し(=殺し)、免疫をつくるのに必要な成分を取り出して病原性を無くしてつくったものです。ウイルスとしての働きはないので、ポリオと同様の症状が出るという副反応はありません。免疫を作る力は生ワクチンに比べ弱いですが、安全性に勝ります。
 日本では、平成24年9月に生ポリオワクチンが廃止され不活化ポリオワクチン「イモバックス」に切り替わりました。また、同年12月より、従来の三種混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを加えた四種混合ワクチンもスタートしました。

対象者

 ポリオの生ワクチン接種を全く行なっていないか、1回だけ行なった人で、なおかつ四種混合ワクチンの接種をしていない人が対象です。
ポリオ生ワクチンを2回接種(完了)した人や四種混合ワクチンを接種している人は対象外です。

接種時期と接種回数

 不活化ポリオワクチンは、初回接種3回、追加接種1回、合計4回の接種が必要です。
不活化ポリオワクチンの標準的な接種年齢・回数・間隔は、次のとおりです。

初回接種(3回):生後3か月から12か月に3回 (20日から56日までの間隔をおく)
追加接種(1回):初回接種の3回目より12か月〜18か月後(最低6か月後)に1回

なお、この期間を過ぎた場合でも、生後90か月(7歳半)に至るまでの間であれば、接種ができます。過去に生ポリオワクチンを受けそびれた方も、対象年齢内であれば、不活化ポリオワクチンの定期接種を受けることが可能ですので、接種されることをおすすめします。
なお、不活化ポリオワクチンはその名の通り不活化ワクチンのため、このワクチンを接種した後1週間(中6日)あければ他のワクチンを受けることができます。

料金

定期接種のため無料です。


★★ 院長より一言 ★★

不活化ポリオワクチン導入前に1回目の生ポリオワクチンを接種した方は、2回目以降は不活化ポリオワクチンを受けることになりました。2012(平成24)年8月31日時点で、生ポリオワクチンを1回接種した方は、9月1日以降に、不活化ポリオワクチンを3回接種することになりました。

すでに不活化ポリオワクチン1~2回と生ポリオワクチン1回を受けている場合でも(順番問わず)、不活化ポリオワクチンの定期接種を受けられます。生ポリオワクチン1回と不活化ポリオワクチンを合計して4回となるよう、残りの不活化ポリオワクチン1~2回を定期接種として受けることが可能です。
生ポリオワクチンをすでに2回接種された方は、不活化ポリオワクチンの追加接種は不要です。