小川小児科内科医院

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静岡県富士市中野569-4  TEL 0545-36-0321

当院職員と、そのお子さん

日本脳炎ワクチン

日本脳炎とは、どのような病気か?

 日本脳炎ウイルスの感染によっておこる中枢神経(脳や脊髄など)の疾患です。ヒトからヒトへの感染はなく、ブタなどの動物の体内でウイルスが増殖した後、そのブタを刺したコガタアカイエカ(水田等に発生する蚊の一種)などがヒトを刺すことによって感染します。
東アジア・南アジアにかけて広く分布する病気です。

日本脳炎の症状はどのようなものか?

 ウイルスを持つ蚊がヒトを刺すことによって感染します。症状が現れずに経過する(不顕性感染)場合がほとんど(過去には、100人から1000人の感染者の中で1人が発病すると報告されています)ですが、症状が出る場合には,6〜16日間の潜伏期間の後に、数日間の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、引き続き急激に、光への過敏症、意識障害(意識がなくなること)、けいれん等の中枢神経系障害(脳の障害)を生じます。
 大多数の方は無症状に終わりますが、脳炎を発症した場合20〜40%が死亡に至る病気といわれています。
 脳炎を発症した場合の根本的な治療法はありません。予防接種で日本脳炎にかからないようにすることが唯一の対策です。

標準的な予防接種スケジュール(平成19年4月2日生まれ以降の方)

第1期
 3才から4才までに6日〜28日の間隔をおいて2回、その後おおむね1年の間隔をおいて4才から5才までの間に1回接種。(ここまでの3回を第1期と言います)
第2期
 9才から10才までの間に1回接種(この追加で1回接種することを第2期と言います)

 上記は標準的なスケジュールで、なるべくこの時期に接種しましょう。
法律では第1期の3回は生後6カ月〜7才6カ月未満の間に、第2期は9才以上13才未満の間に接種するよう決められています。

なお、日本脳炎ワクチンは不活化ワクチンのため、このワクチンを接種した後1週間(中6日)あければ他のワクチンを受けることができます。

特例措置による日本脳炎予防接種
  (平成7年6月1日から平成19年4月1日生まれまでの方)
  (富士市民は平成7年4月2日から平成19年4月1日生まれまでの方)

 日本脳炎ワクチンについては、2005年5月末から2010年3月まで積極的な接種の勧奨が差し控えとなりました。そのため、2010年4月に第1期定期接種の積極的な接種の勧奨が再開された後も、接種を受ける機会を逸したまま未接種、あるいは接種回数が不十分である人が多いと考えられます。特に、生後90カ月(7才半)以上9才未満の方と、13才以上の方については定期接種の対象者に該当していませんでした。
 今回、予防接種法施行令、及び予防接種実施規則の一部が改正され、日本脳炎ワクチンの定期接種対象者に、特例対象者が追加されました。特例対象者(平成7年6月1日から平成19年4月1日までの間に生まれた方)(富士市民にあっては平成7年4月2日から平成19年4月1日生まれまでの方)は、4才から20才未満の間に4回の接種のうちの未接種分を法定接種として接種することができます(ただし、4回目は9才以上で接種)。
 この特例措置は平成23年5月20日より施行されています。
特例対象者以外の方については、これまでどおり、第1期(生後6カ月から生後90カ月未満)と第2期(9才以上13才未満)が定期接種の対象となります。


★★ 院長より一言 ★★