小川小児科内科医院

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当院職員と、そのお子さん

ロタウイルスワクチン

ロタウイルス胃腸炎とは?

 ロタウイルス胃腸炎は、乳幼児に多く起こる感染性胃腸炎のひとつで、ロタウイルスというウイルスが原因です。
 ロタウイルス胃腸炎は、世界中のほぼ全員が5才までに一度はかかるといわれています。初めて感染した場合は白っぽい水のような下痢や激しい嘔吐が繰り返され、回復まで一週間ほどかかります。この下痢と嘔吐のため脱水になり入院治療を必要とする場合もあります。
 また、経過中に脳炎やけいれんの合併症を起こすこともあり、乳幼児にとっては怖い病気のひとつです。一方、免疫がある年長児がかかった場合は、ほとんど無症状です。

ロタウイルス胃腸炎の治療は?

 ロタウイルスに効く薬はありません。
下痢や嘔吐が主な症状ですが、この胃腸炎には下痢止めは効きません。それどころか、腸内のウイルスの排出を遅らせてしまう可能性があるので通常下痢止めは使用しません。
 こまめに水分補給をして脱水を予防しながら、自然に回復するのを待つしかありません。

ロタウイルス胃腸炎はワクチンで予防ができます

 強い感染力があり、いったんかかると重症化しやすいロタウイルス胃腸炎から乳児を守るためWHO(世界保健機構)などではワクチン接種を推奨しており、その結果今では世界120カ国以上で接種が行われています。

ロタリックスとロタテックでは何が違うのか

 ロタリックスは単価ワクチンといって、胃腸炎を起こしやすいロタウイルスのある1つの型に対して抗体をつくります。一方、ロタテックは5価と言って、5つの型に対する抗体をつくります。当然、5価のロタテックのほうが優れていると考えがちですが、実際は交叉免疫といって、単価のロタリックスでも複数の型に免疫を作ることが知られています。従って、胃腸炎予防の効果に大きな差は認められません。
 実際上の違いは、ロタリックスは生後6週から24週までに2回接種する、一方ロタテックは生後6週から32週までに3回接種する、という時期と回数の違いだけです。

ワクチン接種の実際

ロタリックスの場合
 対象者 生後6週から24週までに2回接種します。生ワクチンのため、1回目を接種したあと次のワクチンまで4週間開けなければなりません。従って、生後20週以内に1回目の接種を受けていない人は、このワクチンを接種できません。
 なお、1回目の接種が生後16週以後だと腸重積を合併しやすい、という報告がありますので、1回目は16週以前に行いましょう。
このワクチンは生後6週になったらすぐに接種したほうが良いでしょう。
 接種  2回接種が必要で、口からスポイトで飲むワクチンです。
 料金  無料。

ロタテックの場合

対象者 生後6週から32週までに3回接種します。生ワクチンのため、1回目を接種したあと次のワクチンまで4週間開けなければなりません。同様に、2回目を接種したあと3回目のワクチンまで4週間開けなければなりません。
 なお、1回目の接種が生後16週以後だと腸重積を合併しやすい、という報告がありますので、1回目は16週以前に行いましょう。このワクチンは生後6週になったらすぐに接種したほうが良いでしょう。
 接種  3回接種が必要で、口からスポイトで飲むワクチンです。
 料金  無料。


★★ 院長より一言 ★★