小川小児科内科医院

小川小児科内科医院

静岡県富士市中野569-4  TEL 0545-36-0321

当院職員と、そのお子さん

破傷風ワクチン

破傷風とは
 傷口に入り込んだ破傷風菌が毒素を放出することで、特有の症状が出る病気です。一旦発症すると死亡率は30%と高く、非常に危険です。破傷風菌は土壌中に広く分布し、小さな傷口からも感染しうるため、ワクチン接種以外の方法で完全に予防することは難しい感染症です。
 最近の年間発症数は120名程度です。予防接種の普及により、ケガをしやすい子どもの発症は稀になりましたが、予防接種の効果が10年程度で減弱することもあり、予防接種を受けていないか、効果が減弱したと考えられる中高年以上の発症が主です。

主な症状は
 口を開けにくい、首筋が張る、といった症状で始まり、次第に顔の筋肉が引きつって痙笑(けいしょう:ひきつり笑い)と呼ばれる特徴的な表情が現れます。この後、頸部から背中にかけての筋肉が後弓反張(こうきゅうはんちょう)と呼ばれる全身性の筋強直が起こり、窒息によって死亡する危険も高くなります。筋肉のけいれんが十分に戻るまでは数週間かかるため、長期の入院が必要です。

治療法は
 菌と毒素に対する治療として、感染部位の洗浄などによる菌と毒素の除去、抗菌薬投与、破傷風抗体つまり免疫グロブリン製剤の投与などを行いながら、同時に筋肉の痙攣(きんけいれん)に対する治療として抗けいれん薬の投与、人工呼吸器を含めた集中治療管理などを実施します。

予防法は
 屋外で皮膚の傷を完全に防ぐことは難しいため、予防接種が必要になります。


★★ 院長より一言 ★★